期待の新シリーズに若干の暗雲 『ザ・マミー』

往年のユニヴァーサル・モンスター…ミイラにフランケンシュタイン、透明人間などが現代に復活するという夢のような新シリーズ”ダーク・ユニヴァース”シリーズ第1弾『ザ・マミー 呪われた砂漠の女王』を見て来ました。

脚本家のアレックス・カーツマンの監督デビュー作であり、主演がトム・クルーズという超大作でしたが、今後のシリーズにやや不安が残る船出となりました。

1932年の古典ホラー『ミイラ再生』の、『ミイラの幽霊』(1959)、『ハムナプトラ 失われた砂漠の都』(1999)に続く3度目のリメイクとなります。

【物語】

イラクで偵察任務に当たっていた米軍軍曹のニック(トム・クルーズ)は、反政府勢力の破壊から守るという名目で古代の遺物を探していた。転売するのが目的であった。かつてメソポタミアと呼ばれていた砂漠の遺跡から、古代エジプトの王女の棺を発見したニックは、考古学者のジェニー(アナベル・ウォーリス)と反目しつつも棺を運び出し、輸送機に乗せるが、機は英国で墜落してしまう。

奇跡的に無傷で助かったニックは、棺の中のミイラであった邪悪な王女アマネット(ソフィア・ブテラ)から、彼女が現代に復活するための呪いを受けたことを知る。

一方、英国で十字軍騎士団の地下墓地を発掘していた組織”プロディジウム”のヘンリー・ジキル博士(ラッセル・クロウ)もアマネットの復活を予見し、これを阻止しようと暗躍する。

…本家と過去2作のリメイク版では、古代エジプトの高僧であったミイラが、邪悪な王女(美人)に変更されています。また、「ジキル博士とハイド氏」のジキル博士=ラッセル・クロウが、対モンスター組織のリーダーというのも新機軸です。劇中ではちゃんとハイド氏に変身するシーンもあります。

十字軍騎士団がなぜ古代エジプトに関わっていたか、なぜエジプトのミイラがメソポタミアから発掘されたか、などの謎が絡み合い、このタイプの考古学アドベンチャー好きにはなかなか面白いのですが、やや風呂敷を広げ過ぎたようです。米国での不評はこのあたりが原因と思います。

トム・クルーズも、盗掘を生業とする軍人というキャラクターが馴染みにくかったように見えます。

反してラッセル・クロウのジキル博士は魅力的でした(博士の研究室に陳列された標本に注目!)。

復活する古代エジプトの女王を演じるソフィア・ブテラは、スパイ・アクション『キングスマン』では両脚義足の暗殺者、『スター・トレック BEYOND』では異星人の役も印象的でしたが、目的のためには手段を選ばない邪悪さが良く出ています(ただしエナジードレインはやり過ぎ。スペース・バンパイアか)。

興行は悪くないので、ぜひとも次回作の『フランケンシュタインの花嫁(仮題)』で華々しく成功してほしいところです。★★★。